新幹線談義はつづく・・・
ミタ : 他に新幹線エピソードはありますか?
マセ : いっぱいありますよ、ありすぎなくらい(笑)
新幹線利用してると、台風やら集中豪雨やらでしばらく停車します、そんな場面はよく経験するんだよね。
そうすると、カーブの所、遠心力を抑えるために線路が斜めになってるでしょ。あれを、鉄ちゃん用語で「カント」って言うんだけど、そのカントのある所で、停車しちゃうことがある。
ミタ : ありますね。
マセ : あそこで停車しちゃうと、本当に、こんな、ななめっちゃうんだよね。新幹線のカントって、すごく角度が大きいから。高速で走る用に、相当きつくできている。
そこで止まっても倒れない程度のカントなんだけど、人間的には相当つらい角度でね、1時間も止まってたりすると、本当にどうしようもない。寝るにも寝られないし。それは2~3回経験したかな。
ミタ : うわ、大変・・・。場所はどの辺りですか?
マセ : 静岡の、なんとかトンネルの手前だったかな。16両編成だから、一番前と一番後ろは、比較的平らだったりするんだけど、一番きつい所にたまたま乗ってたりするとね。「えー、このまんまかよ・・・」って。
左にカーブしている時は、左のお尻に重量がかかるわけ。すると、だんだん痺れてくる。
しょうがないから、右の方に体重を寄せて、左をあげる。こんな風に。
ミタ : あ、そのポーズ。嫌な事件を思い出してしまいました。聞いてもらってもいいですか。
マセ : うん。どうぞ。
黄色おじさんの仕打ち
ミタ : その日は、名古屋から乗りまして。3列の通路側のC席でした。B席は空いていて、窓際のA席に黄色いポロシャツを着たおじさんが座ってました。おじさんと言っても、50歳手前くらいの人で。
しばらくすると、その黄色いおじさんが、何だかゴソゴソ動くんですよ。荷物あけたり、何度も座り直したり。
その度に揺れて気になるんですけど、私は普通に読書してました。
そしたら、突然、「ブッ!」って大きな音がしたんですよ。
思わずそちらを見たら、黄色おじさん、あろうことか、私の方に向けて片尻あげてたんです。
マセ : わはは!
ミタ : 笑い事じゃないです。もう、思わず二度見しましたよ。本当に頭にきまして。よっぽど言ってやろうかと思いました。「上げるんなら、こっちじゃなくて向こうの尻!」って。
マセ : あー面白い・・・。って、そこ?
ミタ : そりゃそうでしょう。最小限にとどめるのが大人としての礼儀ですよね。なのに、ありとあらゆる選択肢の中で一番最悪のパターンですよ。どういう判断? 失礼にもほどがありますよ。
マセ : あー。いや、それはね。癖っていうか、つい上げちゃう側がある、んじゃないの、かな・・・。
ごめん、代わりに謝ります。
ミタ : 意味がわかりません。
マセ : うん。しかし、それはありえんな。ご愁傷様でした。
ミタ : でも、後で友達に話したら結構ウケたので、良しとしました。
マセ : ええんかい。
ミタ : お食事中の方、失礼いたしました。
座席たおしますか問題
ミタ : そういえば、「新幹線の座席を倒すか倒さないか」って、時々話題になりますよね。倒しすぎてモメることもあるみたいです。
マセ : そうそう。グリーン車でも普通車でも、今はけっこう倒れる仕様だよね。あれ全部倒すと、後ろの人は相当迷惑だよね。あんなに倒す必要が、そもそもあるのかっていう話で。
設計者は何を考えているかというと、「なるべく楽に寝れるように」だろうね。
でも、国際線の飛行機みたいに前後がゆったりしてるんならともかく、そうじゃないんだから。なのにバカみたいに倒しちゃう。
ミタ : 以前は遠慮がちな人も多かったけど、今は「倒れる設計なんだから目いっぱい倒して何が悪い!」って開き直る人がけっこういるそうです。
マセ : うん。すべての原因は、「倒れすぎるから」なんだろうね。無用のケンカを作っちゃった。
後ろの人がパソコン開いてたら、パソコン壊れちゃう時あるからね。
僕はもう、ほとんど倒さない。そんなに倒す必要がないし、寝る時もゆったりしないで寝てるから。
座席たおせません問題もあります
マセ : こないだ久々に、東北新幹線のはやぶさに乗ったの。E5系かな。あれがまたとても具合が悪くてね。
背もたれの頭が当たる部分に枕がついてるんだけど、枕が一番下に下がった状態で来るわけ。しかも、シートは完全に垂直に立ってる。
特に東北新幹線は、乗り慣れてない人も結構いてね。
ミタ : そうですね。ビジネスのお客さんも少なそうですし。
マセ : 枕は、自分に合うように上げて調節できるんだよね。シートも、ちょっと倒せば、背もたれと座面が一緒に動いてくれて、まあまあ快適なの。
ミタ : そうなんですか。知らなかったです。
マセ : 東京駅から乗ったんだけど、僕は3人席の窓側で。隣は年配のご夫婦。
しばらくして見たら、旦那はシートを倒して寝てるの。でも奥さんの方は、シートは倒せないわ、枕は合わないわ。ウトウトしてるようだけど、あれは寝られないよね。
ミタ : やり方が分からなかったんですね。
マセ : そう。よっぽど言ってあげようかと思ったんだけど。言っていいものなのか、ちょっと悩んじゃってね。
ミタ : うーん。余計なお世話かな・・・。
マセ : 旦那がもうちょっと優しければいいのに。気づかないんだよ。
ミタ : それは旦那が悪いですね。
マセ : しかも、それには前段階があって。発車してすぐ、ご夫婦はお弁当を食べててね。
奥さんが旦那に気を使って。東北弁でね。
「これ乗ってたら着くからな」 「こんな食べ方してたら田舎もんて笑われるぞ」みたいな会話をしてたの。
だから、余計に言えなくてね。
ミタ : 恥かかせられないですもんね。
格好はよくても・・・
マセ : ご夫婦は僕より先に降りてくれたからホッとしたんだけど、妙に気を使っちゃった。
ミタ : なんか切ないです。みんなが使いこなせない設計に問題があるんでしょうね。
マセ : まさにそうなの。よくできているように見えても、全く役に立ってないことって多いよね。
ユーザビリティに全くのっとってない新幹線。
東北新幹線はよくできているから、余計にそうなの。
東海道新幹線は、また別の問題があってね。そもそも、・・・
ミタ : それ長くなりそうなので、次回にしましょうか。
マセ : あ、そう?
ミタ : 鉄ちゃん話、今後も時々取り上げますので、お待ちください。(つづく)