出張のため、週1回のペースで東海道新幹線に乗っています。
普通車に乗っていて気になるのが、靴を脱ぐおっさんが多いことです。まあ私もおっさんなのですが、それにしてもおっさんの足は臭い。
靴を脱ぎたい気持ちは分かりますが、もし自分もあのニオイを発していたらと思うと、私には脱ぐ勇気がありません。
個人的には普通車で脱ぐのはナシだと思っているのですが、どう思われますか?
なお私は、たまのご褒美で乗るグリーン車では、堂々と脱いでいます。
(57歳男性・会社役員)

 
マセ : あはは。分かります。脱ぐ人、いますね。僕は基本、靴は脱がないです。スリッパが用意されてる時とかなら、脱ぐ場合もあるけど、原則、脱がない。それはひとえに、自分が不精だから。

ミタ : 脱ぐのが面倒なんですか?
マセ : 履くのが面倒なんです。脱ぐと、足が太るでしょ。で、トイレに行きたくなった時に、靴を履かなきゃいけないんだけど、これが大変なんです。

どんな靴、はいてますか?

マセ : そこで僕は聞きたいです。「脱ぐ人の靴は、ひも派か、ひもじゃない派か」。
ミタ : なるほど。ちょっと知りたいですね。

マセ : ここはね、とても重要なポイントなんですよ。ひも派の人は、ひもをほどいて、またちゃんと結ばないといけない。それをやり、さらにトイレに行くというのは、かなりマメな人だよね。

僕は今、ひもの靴をよく履いてるけど、結んだら、もう結んだまんま。いつでも脱げるように、いつ太ってもいいような履き方をしてるから、足が痩せてる時は、スポスポしながら歩いてます(笑)
ミタ : なんと・・・。衝撃の告白です。

マセ : たまに、空港とかで、靴磨きをやってくれる所に行くんだけどね。昔は300円くらいだったのに、どんどん値上がりして、今は700円くらいかな。すごいよね。物価があんなに上がったのは靴磨きくらいかもしれない。
でも、靴クリームのメーカーがやってる店だから、5分くらいで完璧に仕上げてくれる。きちんときれいに磨いてくれて、とても気持ちのいい靴になる。

その時に、ひもをほどいて、結び直してくれることがあって。
それを、ピシッと結ぶとね、あとが大変なの。脱げないし履けないし。だから、ゆるっと、して欲しいの。
ミタ : それ、中学生のスニーカーの発想じゃないですか(笑)

マセ : いい靴ほど、ちゃんとしていて、不精派には不向きなんだよね。安もんの靴ほど、横にゴムがついてて、履きやすくできている。なんて合理的なんだろう。
というわけで、まったく違う答えですいません。

クサいのは、やっぱりダメです

マセ : このご質問で言えばね、僕はその、脱ぐ前のはなしです。
ミタ : それ以前の問題でした。

マセ : でもね、あえて脱ぐんだったら、周りに失礼ですよ。臭いのは。それは絶対ダメです。
グリーン車であろうが、なに車であろうが、ダメなもんはダメ。臭いもんは臭い。
その点に関しては、僕も、この方に賛成です。
ミタ : はい。広範囲で臭うこともありますもんね。

マセ : ただ、よく分からんけど、関西系の人ほど、靴を脱ぐ癖があるような気がしますね。
ミタ : そうなんですか。
マセ : 特に、飲み屋では。飲むにつれて、靴ぬいで、狭い居酒屋の椅子の上で、あぐらをかく。
昨日も、関西系の社長と飲んでて、そうだったの。

「いや、それがでんなあ」 言いながら靴を脱ぐ。「こんな話ないでっしゃろ?」 でもう、両足、椅子の上に乗せてるの。いやちょっと、「なんでそう座るん?」って(笑)

あと、腰が悪い人に多いかもしれないね。足を組むと楽になる。そういう問題も実はあります。
でも、ちょっと見は、腰が悪いとか分からないから、姿勢としてはよろしくない。相手に対する見栄えとしては、美しくないよね。
ミタ : そうですね。

そして、ニオイ話に・・・

マセ : そうそう、ニオイはね、年を取ると、なくなる。臭うってのはね、まだ若い証拠なんです。
ミタ : おっさんに見えても、まだ若いと。
マセ : そう。良くも悪くも代謝がいいから、汗かいて、菌が繁殖して、ニオイが出る。足が蒸れてくるから、靴を脱ぐ。で、「ほわ~ん・・・」って。

ミタ : 臭いのは、女性のブーツも同じですけどね。
マセ : そうそう。あれも同じ原理。
ミタ : ブーツこそ、新幹線では脱ぎたいんですよね。でも、もし脱いで、すっごい臭かったらどうしよう、と思うと、やっぱり怖くて脱げないです。

おっさんの足 < 女性のブーツ

マセ : そうだよね。昔、同僚と数人でスキーに行った時。ワンボックスの大きな車でね。同期の女性がブーツを脱いだら、ものすごいニオイが車の中に充満したの。あまりの臭さに、皆で「死ぬう~」って。
しかも冬でしょ。窓を開けたいんだけど、寒いんだよね。あれはほんとに辛かった。息ができないの。
あのニオイは、一生忘れられないよ。ハンパなかったよ。その女性はショボンとしちゃうし・・・。

ミタ : あはは。気持ち分かります。でも、臭うのって、いつもじゃないんですよ。その日の体調とか、天候とか、食べたものとか、全部の条件がそろった時に、とんでもない事になるんですよ。

マセ : そうそう、そうなんだよね!
前日に、何と何を食べて、お酒を飲みすぎ、しかも疲れがたまってて、夜もよく眠れず。みたいな状態で、翌朝きました、普通にブーツ脱いでみたら、やたら臭かった、みたいなことね。あるある。

ミタ : あるあるですよ。
マセ : あるあるだよね。それ面白い。あの臭さは尋常じゃないよ。いい革靴ほど臭いんだ、これがまた。
ミタ : そうなんですよ。おっさんより、女性の方が臭いかもしれないです。
マセ : 恐るべし、女性のブーツ・・・。

女性のブーツ < 高校男子の剣道

マセ : ニオイと言えば、今でも思い出すけど。高校1年の時に、授業で剣道があったんだよね。今はどうか知らないけど、あの当時は、剣道の防具は学校に置いてあって、それをみんなで使う。
当然、面もそうだし胴もそうなんだけど、問題は、小手なの。
革だから、もう、高校生の男の子の、汗だくになったやつ。みんなが手を入れてるやつを使い回しする。

で、夏。
臭くないはずがないやろ。こんなもん使わすな、って。
ミタ : 胸やけしてきました・・・。

マセ : その剣道の時間が、5時間目だったんだよね。
ミタ : お昼の後ですね。

マセ : うん。お昼を食べて、剣道やって、まだ6時間目がある。
剣道おわったら、もう、手がグニュグニュなの。当然シャワーなんかないから、体を拭いて。
あー疲れた、って、6時間目。

机に肘をついて、右手を頭にやろうとした瞬間に、「くせっ!」って。
あの手の臭さ。衝撃で目が覚めるの。これはもう、昼寝をさせないための手段なんだと。
ミタ : うまい作戦ですね。

マセ : あの小手の臭さは、足の比じゃないよ。すごいんだからもう。
ミタ : いろんな少年の汗が混じってますもんね。

マセ : そう。もう、誰の何の汁なんだか分からない。しみ込んじゃって。
中には、猛烈なニオイを放つ小手が混じってる。
ミタ : ロシアンルーレット的な。
マセ : まさにそうなの。恐怖だよね。今日はどれが回ってくるんだ、って。

でも考えたら、よくそんなの使い回しさせるよなあ。なんちゅう恐ろしいシステムだよ。
ノロウイルスとか、どうすんの。今だったら、ファブリーズかなんかをシュッシュだよ。
でも、だから、我々の世代は、強いのかもしれない。
ミタ : いろんな菌を、直に吸ってますもんね。

ニオイは哲学

マセ : まあ、45年くらい前の話だからね。今はキレイすぎちゃって、耐性ができないんだよね。
汚いのがいいとは言わんけど、人間は、いちおう動物だから。最低限の菌に対抗できるだけの耐性を持ってた方がいいかもね。あんなに臭くなくていいけど。
高校1年の時の思い出、いや、神戸の高校の思い出って、それしかないの(笑)

それにしても、ニオイって、不思議なものでね。
普段、自分の癖になっているしぐさ。それって癖だから、本人は気づいてない。それに気づかされるんです。自分の手で。

そこで初めて、自分にそういう癖がある、ってことに気づく。それをあの時、悟ったね。
ミタ : なるほど。哲学的ですね。

マセ : ま、そういう話ですよ。ていうか、もういいよ、ニオイの話。鼻がおかしくなってきたよ。
ミタ : 失礼しました~。

(2017年2月収録)

【今回のあなたに贈る1曲】
『ベッドで煙草を吸わないで』 沢たまき (1966年)
火の元、炎上、異臭騒ぎには気をつけたいものですね。
 
 
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