– 横浜市内のとあるスタジオにて –
マセ (ジクージン代表) : みなさん、こんにちは。
ミタ (アシスタント) : こんにちは。『おとなFM』 始まりました。
このプログラムでは、皆さまからいただいたお悩みやエピソードについて、なんとなく考えてまいります。
仕事から人間関係、日々のあれこれまで、ジャンルを問わずお受けいたします。
メインパーソナリティはマセ、アシスタントはスタッフのミタが務めさせていただきます。
マセ : よろしくお願いします。
ミタ : FM は「フリー漫談」の略でもありますので、明るく楽しく面白く、まいりましょう。
マセ : そんなにハードル上げないで~(笑)
ミタ : では、記念すべき第1回の「ちょっと聞いてよ~」は、こちらです。
昨年、20代の事務の女性を採用しました。器量がよくて仕事も早く、業者からの評判もよいので、とても頼りにしていました。ところが採用して2か月後、無断欠勤が数日続き、そのまま辞めてしまいました。
同じ時期に、1人の男性社員が辞表を出しました。引き留めたのですが、こちらも結局退社してしまいました。
その後、二人が隣市で一緒に暮らしていると、人づてに聞きました。
お恥ずかしい話ですが、弊社では何年かに1度、こういった事があります。
理由が男女関係なので、社内もざわつきます。
注意するのもどうかと思いますし、本当に困ってしまいます。
(58歳男性・会社経営)
マセ : 初回にしては、けっこう濃い話ですね・・・。
ミタ : こういう関係のお悩み多かったんです。
とりあえずいろいろ気をつけましょう
マセ : そうですね。これはありますね。駆け落ちはともかく、会社内での男女の話はね。
ミタ : 個人的にありましたか。
マセ : 僕は、あ、若い時の社内恋愛はありますよ。
ただ、「社内恋愛をしてる」って噂になったらもう、大変なことになるよね。あっという間に広まっちゃう。すごいね、あれ。
ミタ : 怖いですよね。あのスピードは何なんでしょう。
マセ : 公に付き合ってて、将来結婚しますとか、それだったらいいけど。まだどうなるかも分からない状態で、妙な噂になると、やりにくいな、って。
僕が最初に就職したのは900人くらいの規模の会社だったから、縁故入社の人も多くてね。変に付き合うと危ないことになっちゃうんですよ。
ミタ : 確かに。変なところに地雷があったり。
マセ : そうなの。気をつけないと(笑)
ということで。中小工務店における男女関係のトラブルは、あります。年中あります。
噂はしないに限ります
マセ : 例えば、男女の出会いの場に触れる機会の少ない人が、たまたま小さな環境の中で知り合った相手とウマが合っちゃうと、ものすごく幸せな感じになると思う。
しかも、それを隠しながらも、誰かに言いたくなる。「実は、俺いま付き合ってるんだよ」って。
ミタ : 男性は言いたいものなんですか。
マセ : 人にもよるけど、まあ、言いたい人もいるでしょうね。
僕は人から聞いた話も絶対に言わないことにしてます。すると噂話を持ち込まれちゃう。
パイオニアという会社に勤めてた頃も、立川営業所にいたのに、気づけば本社の人たちより事情通になっちゃって。
なんだか知らないけど、立川にいっぱい電話がかかってくるの。女性社員からね。
「マセさん、○○さんと○○さんが付き合ってるの、知らない?」って。
ミタ : 立川恋愛よろず相談所みたいな(笑)
マセ : 当時は携帯もない時代だったから。
「聞いてるよね」 「僕知らないよ」 「またまた、絶対知ってるはずだもん」って(笑)
そんなこと聞いてどうするんだろうね。
面倒だから言わなかっただけなのに、勝手に信用度が上がってて。「あの人は口が堅い」って。
口の軽い人が、口の堅いことを広めてくれるんですよ。世の中って不思議だね。
ミタ : なるほど。そういう仕組みなんですか。面白いですね。
マセ : あと「僕知らない、分からない」って言っておくと、「あの人はよく分かってる」となっている。
ミタ : 確かに。「知らない」って言ってる人の方が、悟ってる感じが出ますね。
マセ : 逆に、「それ僕知ってるよ!分かる分かる!」とか言っちゃうとね。
ミタ : うーん。アホにしか見えないです。
まず考えを伝えてみては
マセ : この方の場合は駆け落ちですね。もしかしたらどちらかが既婚かもしれないし、大問題なんだけど、辞められるとそれ以上は対応できないですよね。
実際は、社内でドロドロ状態の場合も多くて。工務店の仕事をお請けすると、実はそれの対処が一番大変だったりします。
ミタ : そうなんですか。
マセ : でもね、男女の問題の解決策って、あんまりなくてね。
一つ言えることは、普段から社長が考えを伝えておくことです。朝礼とかでね。
「男女の関係については、我が社はこういう考え方だ」と。
ミタ : 例えばどんなことですか。
マセ : 「社内で男女の問題が起きた時は、責任をきっちり取ってもらう」とかね。
責任ってどういうことか。例えば不倫であれば、不倫としての責任を取る。仕事の中での責任も、場合によっては取らないといけないけど、男女としてのね、責任を取ってもらわないといけない。
それは相当大きな代償がある。どれだけ大変なことになるか、それを覚悟の上でやりなさいと。もし不倫したいなら、一度離婚してからしろと。そのぐらい言っておかないとね。
あと、「トラブルがあった時に、逃げてはダメ」ということ。
覚悟って何かというと、相手に迷惑をかけた代償を払うということ。償いをしないといけない。これは日本のルールだから。
何かあった時に逃げる人間は、一生負い目を背負っていくだけで、社会が受け入れることもないし、うまくいくはずもない。みたいなことを言っておく。
ミタ : 言って何とかなりますか。
マセ : 普段何も言わなくて、例えば、「彼ら付き合ってんだろ、勝手にすりゃいいじゃん。クビになんかしないよ、仕事してもらわないと困るから」 という対応をしちゃった場合。
社内の節度がずるずるになります。規律がない会社になっちゃう。
会社の規律を守りたいんだったら、普段から言っておく。
それで、問題が起こった時に、「俺は言ったよな」 からスタートできる状態にしておきたいですよね。
ミタ : それはそうですね。
心当たりがあっても、堂々と
マセ : 特に社長業は社員を律する立場にありますから。後から注意することはできないんです。
ミタ : 確かに。後からでは遅いですね。
マセ : そうなんです。だから、あらかじめルールを知らせておく。
基本的なルールは、国で言えば法律。事故やトラブルが起きれば、裁判があって判決がある。
社内で判決を下すのは、社長なんです。
中小企業では社長の判断にみんな従うからね。社長が言える立場にいなきゃいけないんです。
こういうことが起こると、「個人の問題だから」って逃げちゃう社長も多くてね。
それは、社長本人に心当たりがあるから言えない、ということもあります。
ミタ : 結構な確率で、あるんじゃないですか。
マセ : 心当たりがあってもね、そこは毅然たる態度で。「俺のことは置いといてだな」って(笑)
ミタ : あはは。全然説得力がないですけど。全員「ハァ~?」ですよ(笑)
マセ : それが社長なんです。「よく言うよね」っていう(笑)
ミタ : でも一応、「社長がそう言ってる」ということは伝わりますもんね。
マセ : そう、そこが大事なんです。
社長も、あんまり度が過ぎちゃってると困るんだけどね。
そこはやっぱり程度の問題で。普段から飲んだくれて、おねえちゃんいっぱい作っちゃって、とか。それはダメでしょう。社員からの信頼を失いますよ。
判断には気をつけて
マセ : だけど、恋愛感情なんてのは、どうなるか分からないよね。起きてみないと分からない。
そこで社長は、誰が聞いても「そりゃそうだよね」という、常識的な判断をする必要があります。
ミタ : そうですね。
マセ : 工務店の社長さんは、その判断がブレがちな人も多いです。これは社長自身がちゃんと勉強する。
あるいは、そういう事を知ってる人と普段からつきあう。トラブルが起きた時に相談できる相手を探しておく。
これはとても大事なんです。
自分の判断に自信がない場合は、必ず誰かに相談することです。じゃないと社員が見てますからね。
ミタ : はい。
マセ : 判断を間違えると、「あの社長は言ってることとやってることが違う」とか、「こないだの判断と違う」という話になる。すると、社員はみんな離れていっちゃう。
逆にそこがしっかりしていれば、「あの社長はいろいろあるけど、やるときはやる」という印象になります。
ミタ : よく分かります。
マセ : ま、そういうことです。いかがでしょう。
ミタ : 社長さん、参考になりましたでしょうか。今後のご健闘をお祈りしております。
【今回のあなたに贈る1曲】
『時代』 中島みゆき (1975年)
大変なことがあっても、いつか笑い話になるものです。
本人も周囲も、その時は気づかなかったりするんですよね。