幼少時の記憶を辿る~産土神さま探しの旅
「産土神(うぶすながみ)さま」って、ご存じですか?
よく聞く「氏神(うじがみ)さま」は、自分が住んでいる土地に由来する神さまで、その地域を護(まも)ってくださっています。
自宅に近い神社なので、初詣に行くことも多いですね。
「産土神(うぶすながみ)さま」は、氏神さまとは別に、自分が生まれた土地に由来する神さまです。
生涯ずっと自分を護ってくださっている神さまだと言われています。
私もそうなのですが、今は自分が生まれた土地を離れる人も多く、産土神さまにお参りする機会は少なくなっています。
でも自分を一生担当してくださっている神さまなので、ご挨拶すると、より一層護ってくださり、力を貸していただけるとか。
その産土神さまと最も良いコミュニケーションが取れるスポットが、産土神社。
自分が生まれて、初めて両親と一緒に住んでいた場所の近くにある神社なのだそうです。
ということで先日、その産土神さまのいらっしゃる神社探しに行ってきました。
私は兵庫県西宮市の鳴尾で生まれ、7歳まで住んでいました。
父がサラリーマンで異動が多かったため、その後は西宮市の夙川(しゅくがわ)、神戸市の御影、そして東京の三鷹市、埼玉県へと引っ越します。
産土神さまのいらっしゃる神社を探すには、生まれてから最初に両親と一緒に住んだ場所が分からなければなりません。
実は生まれた病院の住所(旧住居表示)は分かったのですが、自宅住所が不明。ただ笠屋町という地名番地を覚えていました。
そこで、兵庫県神社庁に問い合わせたところ、「東鳴尾皇太神社」か「皇大神宮社」のどちらかだが、線引きが曖昧ではっきりしないとのこと。
ご祭神はいずれも天照皇太神(あまてらすおおみかみ)とのことで、2社とも参っては、と勧められたので、そうすることに。
阪神武庫川線という支線の洲先駅で下車。
住宅街をぶらぶらすると、すぐに「東鳴尾皇太神社」を見つけました。
早速お参り。過去のお礼と長らくご無沙汰していた非礼を詫びました。
そして「皇大神宮社」。こちらでも同様にお参り。
この2社は徒歩2~3分という近距離。いずれの神社も小ぶりで神職は常駐されていません。
それでもなかなか雰囲気のある良いお社です。
産土神さま、ありがとうございます。
そこから歩いて10分くらいのところに、7歳まで住んでいた場所があるはずです。
探しながら少し歩いてみました。すると、近所にどぶ川があったことを思い出しました。
…まだありました! さらに昔の市場のアーケード。これもまだあったんだ!
こうして、家のあった場所はほぼ特定できました。
が、現在は大きなマンションが建っており、昔の面影は跡形もありませんでした。
まあ、55年も経っているのですから仕方ありませんね。
家のあった場所から甲子園球場まで散歩。20分くらいでしょうか。
昔は甲子園球場でナイトゲームをやっていると、家からその照明の明かりが見えたのですが。
甲子園球場の横を通り、甲子園駅に到着。さてと…。
ええい、この際だから、小学生時代に住んでいた夙川にも行くことに。
(つづく)