安くて旨い本 [2] 健康診断は受けてはいけない
『健康診断は受けてはいけない』 近藤誠著、文春新書 740円(税別)
健康ビジネスを手伝っている関係で、最近は健康に関する話題に敏感です。
まして自分自身も50歳を過ぎたころから、あちこち異常を感じるようになり、その都度、病院に行き、診断を受けました。しかしすっきり治ったためしはありませんね。
毎年、市で行う健康診断は受けており、幸いあまり異常値はありません。
・・・ウソです。
今年3月に受けた健診では、高血圧! 上が162、下が110。ヤバイ・・・。
ところが。
最近読んだある本では、血圧は、年齢+90でOKだとか。
ということは、61歳+90=151。まあちょっと高いのですが、そう心配することもないか・・・。
健診の数字に一喜一憂するのは、私だけではないと思います。
まして、ナンチャラがん検診を受け、「要・再検査」なんて言われたら、突然、不安と恐怖心で、悪くもないカラダが悪くなりそうです。
「病(やまい)は気から」という言葉があるくらいですから。
さて本書です。タイトルからして、「え~っ?」と思いませんか?
たとえば、「がん」は早期発見で治ると思っていますよね? ところが違うらしい。
健康診断が行われるようになって、確かに「がん」の早期発見は増えました(発見率は高くなった)。
では、「がん」の死亡率が減少したかと言えば、実は減少していない、というデータを提示して、健康診断がいかに人を惑わせているだけかを追求しているのです。
私も最近、「がん」や「免疫」について、多くの書物を読んでおり、なるほどと思うところもあります。
近藤医師はテレビにも出演される方ですが、医学界では亜流です。
その論法には説得力もあり、なるほどなと思います。
結論は、「健康な時には健診を受けるな」ということなのですが、まずはご一読を。