常識を変える難しさ
「新しいコトにチャレンジしなければ、いまを変えることはできない」
と皆さんに伝えています。
言い換えると、常識を疑い、常識を捨て、違う世界にチャレンジするということです。
「ウォークマン」と言えば、言わずと知れた、現代のiPodやスマホにつながるヘッドホンステレオの先駆けであり、世界中で大ヒットした商品です。
発売は1979年(昭和54年)、ソニーが開発しました。
実は当初、ウォークマンは全く売れませんでした。
当時は大型ラジカセやシステムコンポが全盛の時代。
そんな中、スピーカーがなく、ヘッドホンだけでしか聞くことができない、さらに録音機能がない、再生専用プレーヤーというのも画期的で、誰も見たことがなかったモノでした。
電器店の売り場もウォークマンコーナーを作りはしましたが、当時1機種3色程度のバリエーション。
幅50センチもあれば全種類が並ぶわけで、全く目立ちません。
ウォークマンの良さは、小さいボディからヘッドホンで迫力の音楽が楽しめること。
その良さを知るためには、必ずヘッドホンをつけて聞かなければなりません。
しかし店頭に置いてあるヘッドホンで試すというのは、当時としては、かなりハードルが高いことでした。
私はオーディオ製品が好きで、ウォークマンにも興味はありました。
ですが、発売当初は「そんなもの売れるのかね~」と思ったものです。
ある日、私の友人がウォークマンを買ってきました。「これ凄いぜ」と、どや顔。
聞かせてもらうと、確かにびっくりするほど良い音がします。
これすごいな、と思いましたが、当時、私は小型のスピーカー付を購入しました。
それから3年くらいすると、主な家電メーカーが次々とウォークマンの類似商品を発売しはじめ、市場が急激に拡大します。
その頃には、私もソニー製ではないものを購入しました。
社会人になりたての私は、この画期的すぎる商品がこれほど大化けするとは思っていませんでした。
ソニー社内でも、当時の盛田社長の一声で商品化されたもので、周囲は反対していたと言います。
常識を覆すのは簡単ではありません。
普段から可能性を信じること、遊び心を持つことが大切なんですね。
「若いから頭が柔らかい」のではなく、「柔らかい頭になるよう心掛けているから若い」のです。