注文住宅営業の基本~資金計画
以前、ハウスメーカーの営業マンを指導していたときのことです。
ハウスメーカーは、総合展示場に立派なモデルハウスを建てています。
週末ともなると、多くの家族連れが新築の参考にするために総合展示場にやって来ます。
そこには20~40棟ものモデルハウスが建っていますから、各社の顧客獲得競争は激しくなります。
多くの営業マンは、自社の特徴やデザインなどを説明します。
さてその中でも、営業成績の良い営業マンと、そうではない(契約がとれない)営業マンがいます。
両者はどのくらい差があると思いますか?
いわゆる優秀な営業マンは、年間に24棟以上、つまり毎月2棟ずつ契約をとります。
ところが、ダメ営業マンは年間になんと2~3棟しかとれません。
この差は何なんでしょうか?
当時私はその違いを徹底的に調査しました。
営業マンの住宅に関する知識、プラン提案力、あるいは人柄や雰囲気など、多くの要素はあります。
でも決定的な違いがあるのです。
ダメ営業マンは、お客さまとの会話をつなぐために、お客さまの夢をどんどん聞いていきます。
当然、お客さまは夢をかなえてくれるものと期待します。
しかし現実の壁があります。それは、家を建てるための資金です。普通は自己資金と、不足分は住宅ローンを組みます。
問題は、住宅ローンが返済できるかです。夢を追いかけすぎると、ローンは組めても返済が大変なことになる場合はよくあるのです。
お客さまも当然、返済できるかどうかを検討します。
その結果、さんざん悩んだ挙句、諦めるか、他社に行きます。
一方、優秀な営業マンは、先にお客さまの予算を正確に把握しようとします。
そして、その予算の範囲で、夢の実現を提案します。
このプロセスなら、無理なローンを組むことはありません。
これは工務店でも同じです。
特に工務店の社長には資金計画の話が苦手な方も多いようで、なるべくこの話を避けて契約に結び付けようとする傾向を感じます。
しかし契約を獲りたければ、まず資金計画の話ができなければなりません。
そしてそこには、お客さまに対してスムーズに自然とおカネの話ができるようなストーリーが必要なのです。
ぜひ、このストーリーをマスターしましょう。
(つづく)