リーダー次第で現場は変わる
2015年ラグビーワールドカップで、日本代表チームは予選リーグで3勝するという快挙を成し遂げました。
私は昔からのラグビーファンです。
しかしワールドカップでベスト8入りなどは「夢のまた夢」と思い込んでいました。
私だけでなく、世界中の人がそう思っていたでしょう。
なぜなら、日本代表は第1回大会から連続8回出場で常連ですが、その戦績はなんと1勝21敗2分けだったからです。
それがここ数年のテストマッチ(公認国際試合)で、ラグビー強豪国に勝ったり、対等の試合をするようになっていました。
そしてこの大会では一気に3勝。しかも優勝候補の南アフリカに勝利したという事実。
ラグビーで日本が強豪国に勝てない理由は、まず体格の違いが大きいと思います。
さらに強豪国の歴史や、日本での人気の低さなどもあります。
ラグビー人気を世界に広めるために、国境を超えた選手の移籍を認めるようになり、日本にも大きな外国人選手が参加するようになりました。
昔に比べれば平均体格は大きくなったものの、やはりニュージーランドやオーストラリアなどに比べれば、身長体重ともにかなり小粒です。
その劣勢を、どのようにカバーするか。
2012年に就任したエディー・ジョーンズヘッドコーチは、本大会までの想像を絶する厳しいトレーニングで、体格の差をカバーすることを考えました。
しかしエディー・ジョーンズコーチがもっと厳しく改革を求めたものは、「ハート」です。
とかく日本人は他人との融和を優先し自分の意見を言わない、コーチの指示には従うがその意味について聞いたり解釈しようとしない、コーチもその選手に必要なトレーニングは指示せず何の根拠もないトレーニングを押し付ける、といった具合です。
そこでエディー・ジョーンズコーチは、「心」の改革を徹底的に行いました。
「例えばiPodはビジネスで成功していますが、それは製品がすごくユニークだったからです。
だから、みんながコピーをしたのですが、それではiPodより良いものは生まれません。
日本人は身体が小さいので、パスの回数を増やし、スペースを作ることが大事です。
それが、私が提唱する「JAPAN WAY」というスタイルの根本です。」
「コーチングでいちばん重要なのは、選手に自信を持たせることです。」
これはビジネスにも通じることだと思います。
経営者やマネージャーも実践したいものです。