電柱をなくせ

日本の都市景観を悪くしているもの。
これは明らかに電柱と電線、電話線です。

郊外は当然のように、また都心でさえ、ちょっと裏道に入ると電柱と電線のオンパレード。
実に見栄えが悪い。私は20代のころからずっと言い続けています。
まあ、ひとりごとのようなものですが。。。

なぜこんなに美しくない都市景観を許してきたのか、本当に不可解です。
グラフを見ても分かる通り、「電線地中化率」は、世界の主要都市の中でも圧倒的に低いのが実情です。

アメリカの街で電柱や電線を見たことはありません。景観はすっきりとしています。
東京でも、皇居の周辺あたりはすっきりとし、主要道路沿いには電柱はありません。

ではなぜ電柱王国なのか?

その理由として、地中に埋設するコストが高いこと、地震の際に地中より復旧が早いこと、などが挙げられます。

コストについては、従来の共同溝方式(電力線、通信線、ガスなどをまとめる)ではかなり大がかりな工事となる、また縦割り行政の弊害も伴い、調整に時間もかかる、ということで膨大な労力を要しています。

地震災害については、阪神大震災で、倒れた電柱が復旧の妨げになったという事例があります。
また地中の方が安全ということもあり、むしろ地中の方が理にかなっていると言えます。

あとは既得権益者の保身。
電柱は所詮ただのコンクリート製品です。メーカーは儲かるでしょう。

徐々にですが、地中線化を推し進めてきてはいました。
ようやく「政府自民党は電線の地中化を促す新法を制定する検討に入った」と、6月19日付の日本経済新聞が伝えています。
電柱の新設を禁止、地中線化を促進するという内容です。財源の不足は約2400億円。

かつて不景気になると、電線の地中化を景気対策にしてはどうか、と議論されました。
しかしなぜか法案にすらならなかった。

失われた20年の間に少しでも進めていれば、今ごろはもっと美しい街並みに変貌していたと思いますが。
今度こそ期待したいものです。

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