実力がそのままでたサッカー
終わってみれば、やはりFIFAランク通りでした。
まあこれが実力でしょう。もっとも長年のサッカーファンとしては、せっかくのワールドカップ、もう1試合見たかった・・・。
ここはひとつ敗因分析でもしましょう。
経営資源からヒト・モノ・カネ・情報、そして監督という視点で見てみましょう。
まずはヒト。
史上最強のメンバーとの呼び声も高かったザックジャパンですが、個人の実力を平均点で言えば、今回のW杯出場チームの中でも低い方でしょう。
攻撃陣は、過去日本代表の中では確かに最強だったと思います。
しかしいつも言われる「ここで」という時の決定力不足は相変わらず。
香川選手は一番優れていると思っていましたが、今大会はずっと不振。やはりイングランドで試合に出ていないことは大きい。
ネイマールやメッシのような、世界が認める選手が出てくるのを待つしかありません。
中盤の本田選手、長谷部選手、遠藤選手はいずれもダメでした。スピードが無さ過ぎた。
長友選手、内田選手は安定感がありました。しかしセンターバックはザルですね。前回は闘莉王や中澤など存在感のあるディフェンダーがいました。
総合的にみると、過去に比べ、明らかに攻撃型サッカーに変化してきていることは評価できます。
しかし個人技は決定的に低い。1対1で得点できない、小技がきかない。
これは経験不足というより、幼い時からサッカーの動物的反射行動を身に着けているかどうかというレベルです。この差が一番大きいと思います。
また大型ディフェンダーがどうしても欲しいですね。
次にモノ。グランドコンディション。
芝生はかなり酷い。足をとられながら、鋭いパスを出したり、受けたりするという悪い環境に慣れていない。
ヨーロッパの強豪が早々と予選敗退するのは、気候や応援の雰囲気とともに、この悪コンディションにも影響を受けているでしょう。かなりの技術レベルが求められるのではないでしょうか。
カネと情報は持ちすぎるくらいあったのではと思います。
最後に監督の采配。
はっきり言ってザッケローニ監督の采配は、これまでの4年間を無駄にしたとしか思えないものでした。
特に大久保選手の起用法、1戦目の浮足立ったポジション指示、2戦目の3人目交代枠を使わなかったことなど。
本田選手、香川選手は明らかに調子が良くなかった。本来の良さが全く出ていなかった。それは大久保選手とうまく絡めなかったという見方もできます。
彼は最初からではなく、局面打開で使うべきだったのでは。ザッケローニも雰囲気に飲まれたか?
私の総合評価は、日本は強くなったが、世界はもっと強くなっていた、ということでしょう。
FIFAランクがシングルになるには、まだまだ長い時間が必要です。
幼い時からハイレベルの草サッカー環境づくりがなければ、世界には勝てないと思います。
そしてまた、4年の長い旅が始まります。