ゆめいらんかね
出張で関西方面に行き、宿泊先ホテルで深夜テレビをつけると必ず出てくるのが、「たかじん」。
ややコワモテの、ガラの悪い、しかし案外まっとうなことを言う、おもろいおっさんです。
若いころ東京に本格進出しようというときにちょいと事件を起こし、二度と東京のテレビには出ないことになったらしい。
以後、彼はずっと関西中心に活動をしていました。
関西では、それこそ老いも若きも誰でも知っている。
東京での知名度の低さを考えると驚きです。
基本的に、はちゃめちゃです。
こんなんテレビで流してええの?と思う内容を平気でやる。
東京ではムリやね。逆に関西ではめちゃくちゃ受ける。
これほど有名かつ影響力のある人物が、なぜか関西の「一地方人」でいたのです。関西らしいわ。
私も関西生まれなので、昔から知っているかというと、実は彼が世に出るころには東京におり、意外に知らない。
それは私の「たかじん」という発音で分かります。関西人は「たかじん」なんです。
最初に知ったのは「やっぱ好きやねん」でした。
この曲を歌った人と、関西で毒舌しゃべくりのおっさんが、同一人物とは長らく思えなかった。
なぜなら司会をしているときの話し方は、声は低いし、だみ声。
ところが歌うとキレイな澄んだ声に、甘いファルセットが入る。
同じ人とは思えん。
ある時、「やっぱ好きやねん」は、やっぱたかじんさんが歌っていたんだ、と知ったときのショックは凄かった。いやホンマ。
大阪の知り合いからYouTubeの「たかじんさんと笑福亭鶴瓶の15年前の映像」を紹介され、見ました。
はっきり言って、「間」の取り方、ツッコミ、話題の豊富さ、いずれも決定的に鶴瓶よりたかじんさんです。
番組の終盤にうたう「ゆめいらんかね」はサイコー。
http://www.youtube.com/watch?v=a9fIsT8sbWY
今年の正月に急逝した、やしきたかじんさん。
享年64歳。実に残念。合掌。