お笑い文化論2013

私、お笑いは大好き。
このブログでも年に1度は、「現代お笑い評~独断と偏見版」を紹介しています。

30年以上前、落語は東京、漫才は関西と大きく分けられたものです。
東京の落語は実に深い。しかし漫才は正直いって全く面白くなく、コント55号やドリフターズというドタバタものが中心でした。
一方、関西の落語もうまい人はいましたが、これは東京に軍配。しかし漫才は断然面白い。

で、私がリアルタイムで最もうまかったと思うのは、やすし・きよしでもなければ、阪神・巨人でもありません。
断然、いとし・こいしです。
これはもう芸術の域ですね。ネタ、スピード、間、すべてにおいて独走です(私の中では)。
もちろん、やすきよも阪神巨人も、いとこいさんの影響は大で、その片鱗を感じさせます。
今に至る関西漫才では、やはり、いとこいさんをコピー出来なければ、大物漫才師にはなれないと思いますが。。。

さて、30年くらい前から吉本が東京に進出開始し、その勢力を拡大します。
それまで関西の地方番組でしか見ることの出来なかった関西漫才が、全国ネットで放送されるようになります。

そのスピード、ボケ、間の取り方が東京から北(ここでは関東と称します)の「面白いことやりたい連中」に受けたのでしょう。
確実に文化が広がり、ここ10年くらいは、いわゆる関東系にも関西漫才が融合して実に面白いものが出てきました。

私の中で最近のベスト3は、「サンドウィッチマン」「ナイツ」「パンクブーブー」。
いずれも吉本を中心とする関西勢ではなく関東勢です。

サンドウィッチマンは、ボケ富澤さんとつっこみ伊達さんの仙台出身のコンビ。
2007年のM1グランプリで優勝し、一躍有名になりました。
最近はうまくなったし、本当に面白い。
ネタはそこらにありそうな普通の話。しかしボケ方が実に良い。

最近見たネタで印象に残っているのが
ボケ「マンチェスター・ユナイテッドですよね?」
つっこみ「違うだろう、モンスターペアレントだろう」。

・・・ここだけ切り取っても面白くないことは承知の上で解説すると、ダジャレになっていないのに、何だか雰囲気をついている、雑なのか、考え抜かれているのか?
相方のつっこみの間も良いですねえ。

ナイツは、ボケ塙さん、ツッコミは土屋さん。
東京系の漫才と関西系の漫才がうまくミックスしている正統派?です。
ネタも幅広い層に受けやすく、好感が持てます。

パンクブーブーは、ボケ佐藤さん、ツッコミ黒瀬さんの九州出身コンビ。
2009年M1グランプリ優勝。吉本東京所属。
このコンビを関東勢というかどうか・・・。まあ、関西勢とはちと違うと思うので良しにしてください。
ネタ、スピード、間ともに実に緻密で完成度が高い。素晴らしい。
相当練習をすると思うのですが、逆に今のところMCやバラエティはイマイチ。

もちろん関西勢には多くのお笑いがいますが、これはまた後日。
おあとがよろしいようで・・・