コロナ禍の経済はどうなる?(3)風が吹けば桶屋が儲かる~チャンスをつかむ
前回 コロナ禍の経済はどうなる?(2)何が減少してマイナス27.8%になったのか
からの続きです。
「風が吹けば桶屋が儲かる」のたとえ
昔からのことわざに「風が吹けば桶屋が儲かる」があります。
これは、あることが起きると、一見全く関係ないと思われるところに影響が出るというたとえです。
風が吹くと砂ぼこりが舞う
→ 砂ぼこりが目に入り盲人となる
→ 盲人は三味線を弾くことで生計を立て三味線が売れる
→ 三味線の皮は猫からとるので猫が減る
→ 猫が減ると鼠(ねずみ)が増える
→ 鼠が増えると桶(おけ、木でできた箱など)をかじる
→ 桶の需要が増え桶屋が儲かる
直接はつながりませんが、結果的に、風が吹く→桶屋が儲かる ことになります。
コロナ禍ではどうなっているのか、少し考えてみましょう。
かなり広範囲に影響が及んでいる
例えば、観光業が大打撃を受けています。
ホテル・旅館業の売上が大幅に減少すると、これまでインバウンドを当てに建設ラッシュだった新しいホテルの建設は中止、または延期となります。
すると、建設業はもとより、そのホテルの中に入る設備、たとえばエアコン、ユニットバスやトイレ、ベッドやカーテンなど一気に売上がなくなります。
運送では、観光バスや長距離路線バスなどの投資が止まり、自動車会社が影響を受けます。
その下請工場は直撃となります。
飲食店の売上減少で最も影響を受けているのが、ビールや日本酒・焼酎などの酒造メーカー。
そして魚介類や野菜、肉などの農業・水産業など。
さらに、これらの市場などの流通関係。
夜の街では、接待をする女性の仕事がなくなり、美容院やネイルサロン、ファッションを直撃。
実際、夜の街周辺のこれらのお店は確実に減少しています。
逆に新たな需要も
しかし悪影響ばかりとは言えません。
外出自粛で、「巣ごもり需要」が発生。
ネット通販や飲食の出前が増え、宅配便やウーバーイーツなどが盛況になっています。
ビデオ会議が普及し、「会社に出社しなくても仕事ができる」と気づいた会社や個人が、都会から地方へ引越ししています。
「必要な人」と「応える人」を結ぶマッチングアプリの新しいものが、次々と登場。
ニッチな世界で勝負しているアプリもあります。
時代の変化はチャンスを連れてくる!
大きな時代の変化の時には、必ず最初に不況があり、その後新しいビジネスが育ちだす、という流れが起きます。
しばらくは全体としては不況感が強くなると思われます。
「風が吹けば…」の通り、経済の影響は、良きにつけ悪しきにつけ、巡り巡って自分のところにもやってきます。
冷静に環境を見渡し、自分ができること、会社の方向性などを考え、新しいビジネスを見つけるチャンスだと考えましょう。
まさにピンチはチャンスでもあるのです。