【中小企業のための展示会出展マニュアル】#04 クロージングに向けた準備
前回(【中小企業のための展示会出展マニュアル】#03 効果のある展示会を選ぶ)からの続きです。
6.何をウリにするか、展示会のスタッフを誰にするかを決める
展示会では何をメインの商品とするのか、何をウリにするかが大切です。
会社の方針を確認し、メイン商品を決定します。
その上で、スタッフの構成、配置、シフトを検討します。
技術系、営業系、マーケティング系、その他にコンパニオンやナレーターをどうするか検討します。
もし展示ブースで映像を流したいということであれば、映像制作が必要になります。
1日5回ミニセミナーを実施したいのであれば、プロのナレーターに依頼することも検討します。
これらに必要な商品、機器、機材もどのように調達するかを確認します。
7.展示会終了後の企画をあらかじめ検討する
これはクロージングに向けたものですので、必ず企画しましょう。
展示会の会場では、周囲も騒がしいものです。
そのため詳しいことが分かりにくかったり、個別の事情を確認できないときもあります。
そこで、展示会が終わった後に、新商品の説明会やセミナーを3~5回程度は企画します。
あらかじめ企画し、日程を記載したご案内を作成しておきます。
そのご案内を、展示会の場で渡す資料の中に入れておくようにします。
8.展示会場で渡すものを検討する
新商品のパンフレットや資料はもちろん、会社案内、展示会場だけの特別企画、また展示会終了後の説明会やセミナーのご案内を用意して、まとめて渡せるようにします。
予算に余裕があれば、社名入りの手提げバッグを用意してもよいと思います。
ただし、バッグをもらったからといって、お客さまが御社のファンになるわけではありません。
9.展示会場でのスタッフの連携を事前に説明する
出展目的は、リストを集めることです。できるだけ質の高いリストを集めたいものです。
そこでスタッフの連携が欠かせません。
展示会の数日前に、スタッフ全員(社員、協力業者、コンパニオン、ナレーター)で2時間程度のミーティングを行います。
そこで、次の内容を説明します。
・展示会出展の目的とその背景、市場環境
・目標とその説明
・各担当者の役割分担
・ポジションニング(立ち位置)
・担当者の連携…特に接客の流れと最終的に営業に渡す確認
・展示会終了後の業務分担…特にお礼メールの送信
展示会における担当者の連携が、事後フォローに直結します。
スタッフの連携で営業機会を逃さない
例えば、展示会本番で、技術スタッフが来場者に技術説明をします。
説明が終了したところで、来場者は帰ってしまった、ということをなくしたいわけです。
せっかく時間をかけて説明しても、その後につながらないからです。
そこで、技術スタッフが説明しているのを見かけたら、営業スタッフがそばにつきます。
説明が終了する
→ すかさず営業スタッフがお客さまのところに行き名刺交換
→ より具体的な話を聞きだす
このような流れにします。
アンケート用紙の使い方
アンケート用紙の設計も重要です。
アンケート用紙はお客さまに書いていただくことが基本ですが、すべての項目が埋まることは少ないと思います。
むしろ技術スタッフがどのような内容を説明したか、お客さまは何を質問してきたか、何かの計画があるのか、など聞き取ったことを忘れないうちにアンケート用紙にメモしておくことが大切です。
これがその後の営業フォローにつながります。
また「紙」ではなく、クラウド上のアンケートフォームを利用するのも良いでしょう。
メールアドレスと氏名を集めることが目的なので、業種や業界によってはこちらのほうが確実に収集ができると思います。
これらの対応をきちんとルール化し、スタッフ全員に周知徹底することで、展示会出展の価値が出ます。
10.展示会当日
(1)朝礼
特に初日は1時間前には集合して、各担当者の役割分担の確認をします。
当日の目標(アンケート回収○○枚)を通知します。
また昼休みの交代時間、一時休憩の連絡方法なども徹底します。
初日と二日目でスタッフメンバーが変わることもありますね。
この場合は、初日と同様のことを丁寧に伝えるようにします。
せっかく準備したものがここで途切れたら、元も子もなくなるからです。
(2)終礼~当日の反省、気づいたこと
初日はスタッフも緊張し、その日の終わりは皆さんかなりお疲れだと思います。
それでも終礼は必ず行いましょう。
終礼では、今日の目標に対する実績数値(速報値)の報告、問題点の確認、明日以降の対応やその手配をします。
当日収集したメールアドレスには、終了後2時間以内にお礼メールを送信します。
そのために、あらかじめ、お礼メールを作成しておきます。
名刺ソフト、メール配信システムを連携すれば、それほど時間はかかりません。
11.終了後の営業フォロー
展示会終了後は、お客さまもホットな場合が多いので、早めに対応します。
お客さまと再度接点を持つための企画を準備しておきます。
例えば、新商品の特別セミナーや個別相談会が良いでしょう。
関心を持ったお客さまが来社していただければ、かなり有力な見込み客になります。
展示会は、事前の準備状況で成功もすれば、失敗になることもあります。
何度も出展している会社ほど、マンネリ化していることも事実です。
ぜひ初心に戻り、本来の目的を明確にして、展示会に臨まれることをおすすめします。
展示会の準備と流れについてはここまでです。
できる限りの準備をし、出展を成功させて成約までつなげましょう。