【中小企業のための展示会出展マニュアル】#01 出展を成約につなげるには
近年ますます盛り上がっているのが、東京ビッグサイトや幕張メッセなどで行われる展示会です。
モーターショーのように誰でも聞いたことがある展示会もあれば、誰が見に来るのだろう? と思うような渋い業界の展示会もあります。
いずれの場合も出展者は、最新の技術やノウハウを来場者に見てもらうことで「ブランディング」や「販路拡大」を目指しています。
中小企業が展示会に出展する目的とは?
モーターショーのような大企業が中心の展示会では、トヨタや日産など各社商品のブランディングや、業界全体の取り組みを認知してもらうブランディングが目的です。
一方、中小企業にとっての展示会は、ブランディングもありますが、主目的は「新規販路開拓」や「新規ユーザー獲得」です。
展示会は、そのための「リアルの接点」の場となります。
ここで名刺をいただいたり、アンケートに記名していただくことで、その後の営業フォローにつなげる「見込み客リスト」を集めることが主目的となります。
ただし、リストをひたすら集めるのではなく、成約につながるリスト集めが重要です。
展示会を成功に導くためには、その準備をしっかりしなければなりません。
そこで、展示会の成功に向けて、そのポイントをまとめていきます。
展示会の来場者は誰か? 来場者の目的は?
ほとんどの来場者は「何かいいモノはないか」と会場内を散策しており、明確な目的を持っていません。
この現実をよく認識して展示会の準備をします。
ただ一部には、明確な目的を持っている来場者もいます。
この来場者は「今すぐ客(すぐに購入してくれる客)」になる可能性があります。
来場者を分類してみます。
(1)出展者側
主に出展者であり、自社の商品やサービスを見せたい、売りたい側。
展示会スタッフとして動員されている社員もいれば、展示会スタッフではない社員も来場します。
彼らは自社のブースも見学しますが、競合他社のブースも見学し、しっかり自社との比較をしていきます。
つまりこの出展者側というのは、競合他社も含まれているということです。
(2)既存ユーザー
出展者の製品やシステムを既に使っているユーザー。
同様の商品の新製品がでていないか、もっと効率的な製品はないか、ほかのメーカーでもっと良いものはないか、しっかりと見回ります。
彼らは「今すぐ客」ではないかも知れませんが、近い将来の有力客には違いありません。
(3)ユーザー見込み客
これから使いたいと考えている購入検討者。まさに「今すぐ客」です。
この来場者としっかり接客し、商品説明をし、次回のアポイントを取らなければなりません。
(4)他社のユーザー見込み客
他社のブースを見に来たお客さまが、自社の展示を見て見込み客になる場合。
これは案外多く、丁寧に対応したいものです。
(5)協業見込み客
同じ製品は作っていないが、相互補完ができるかもしれない、一緒に組むことが可能かもしれない客。
製造機器などの場合は、前工程・後工程のメーカーや、その部品に必要なパーツを作っているメーカーのスタッフなどもやってきます。
(6)偵察者
その展示会に関連する業界ではないのですが、何か新しい技術やノウハウはないかを探している人です。
接客時間は必要以上にとられ、必要以上に詳しく聞かれ、しかも技術を盗まれる可能性もあります。
注意しなければならない相手です。
(7)その他
学生、一般客、メディアなども来場します。
次回は、上記の来場者に対する接客方法を考えていきます。
【中小企業のための展示会出展マニュアル】#02 来場者の接客方法