イケてる社長は六本木・渋谷に別れを告げる ~トレンドはテレワーク~
新型コロナの影響でテレワークが進んだ
新型コロナウイルスにより、2020年4月7日に緊急事態宣言が発出され、全国的に外出自粛の要請が出されました。
特に首都圏は連日、担当大臣や都知事がテレビやネット放送で外出自粛を呼びかけ、テレワーク・在宅勤務を余儀なくされました。
5月25日になり、首相がようやく緊急事態宣言の解除を表明。
さて…
テレワークの結果、広いオフィスが不要に
IT系企業は、早々に3月ごろからテレワークに切り替え、すでに3か月が経過しました。
その多くの企業経営者が、「これでもできるじゃん!」
と言ったかどうかは分かりませんが、要はテレワークでほとんど問題がないことに気づいたのです。
その結果、何が起こっているか?
東京都心部に本社や大きな事務所を構える企業が、次々と事務所面積の縮小に動いているのです。
大企業も本格的に動き出した
この動きは、当初は新聞やテレビの情報レベルでした。
ですから、「理屈はそうでしょうが、まだそれほどでもないのでは?」と考えていました。
ところが先日、私もよく打合せで伺う新宿の某オフィスで、同様の出来事が起こりました。
広い事務所を構えていた企業が、今までの半分以下の面積の事務所に引っ越してきたのです。
そこで、これは相当大きなトレンドになっていると実感しました。
2020年5月27日付 日本経済新聞朝刊の一面には、日本を代表する日立製作所が、在宅ワークを前提にした社内制度に見直す、という記事が出ています。
六本木=イケてない になる日も近い?
こうなると、イケてる社長は、もはや六本木や渋谷の高層ビルで仕事をする理由がありません。
むしろ、「まだ六本木で事務所やってんの?」と言われてしまう、イケてない社長に成り下がる可能性すら出てきます。
というのは想像の話ですが…。
しかし実務的に見て、六本木や渋谷の高層ビルに事務所を構える必要がないのは明らかです。
この動きは、すでにかなり本格化している模様です(数字で分かったときに再度ご報告します)。
人々が都心に集まる必要がなくなる
就職に関していえば、地元で仕事をしたい、という若い方は案外多いものです。
しかし、地方では就職先が見つからず、東京で就職するケースも珍しくありません。
なぜ、特にIT系の企業は、六本木や渋谷・恵比寿などに事務所を構えているのか?
それには、地名にステータスがあり、人材募集をかけると人が集まりやすいという理由があります。
結果的に、多くの人が都心に通勤していました。
ところが、今回のコロナで「イケてる会社は事務所縮小」になりつつあります。
事務所に通勤するのは数名、あとの社員はテレワークです。
東京一極集中から、地方回帰への流れも
テレワークであれば、どこに住んでいても仕事はできます。
すると、「東京の会社に所属しながら、地元で仕事ができる」のです。
仕事の選択肢が増える、素晴らしい効果をもたらしそうです。
コロナ禍をきっかけに、東京一極集中から、地方回帰が起こる可能性も出てきました。
就職に関しても、トレンドが変わるのかもしれません。
状況をよく見ておく必要がありそうです。
都心の不動産は今後どうなる?
当然、都心の賃貸相場は下がります。
これに伴い、不動産相場(土地の価格)も一緒に下がります。
それがしばらく続くと思われます。
また、都心の物件を買っていた外資(中国やアメリカなど)も資金の引き上げをするかもしれません。
そうなると、たたき売りが始まる可能性すらあります。
東京の不動産価格動向は、「新しい生活様式」ならぬ、「新しい不動産相場」になりそうです。