音(おと)なの旅 【vol.7】 サンタナ

『Abraxas』~ Santana(サンタナ)

(1970年)


前回、ようやく見つけた『Pacific』。皆さん、聴いていますか?
(聴いていませ~ん) そうですか・・・。

トロピカル系音楽と言えば、ラテン音楽ですね。ただ、「ラテン音楽」ってかなり広いジャンルの総称です。
そもそもラテン地域とは、地中海沿岸のギリシャからイタリア、フランス、スペイン、ポルトガルであり、そして中南米地域も含まれます。
特に中南米は、スペインとポルトガルが征服し、そこにアフリカから奴隷が連れてこられ、新しいリズムができるのです。ですから地域性が強く出ています。

特にリズムの宝庫と呼ばれるのがキューバ。1950年代、アフロキューバンと呼ばれるマンボやチャチャチャ、そしてアルゼンチン・タンゴなどが世界を席巻します。
私の両親も好きで、そんなレコードが2~3枚あったような記憶があります。

いつしかラテン系音楽が好きになっていった高校生のころ。
最初は軽めのブラジル系の「Sergio Mendes & Brasil’66」。Jazz NovaとかBossa Rockなんて言われました。Bossa Novaは今でも普通に聴いています。
いずれBossa Nova特集しましょう。

何十年か前のある夏。街中に流れていた音楽が、『Black magic woman』。
これを聴いた時は完全にいってしまいました。「なんじゃこりゃあ!」です。

「Santana(サンタナ)」。
Santanaは、1968年ロックの祭典「Wood Stock(ウッドストック)」で鮮烈な世界デビューを飾ります。
そのスタイルは画期的でした。ロックにコンガやティンバレスというアフロキューバンに使われるパーカッションを取り入れ、アフロキューバンとロックが融合したのです。
そしてリーダーの「Carlos Santana」の官能的なギターの音色と相まって、一気に世界中を席巻しました。

天の守護神この頃のSantanaはかなり、「ワルっぽい」感じでした。
なにせ、ロス・アンゼルスのチカーノ(メキシコ系アメリカ人)のブルースバンド。当時はかなりヤバい系です。
そこにラテンの味付けをしたプロデューサーがいて、一気にブレイク。

この曲が入っていたアルバム『Abraxas』(日本語タイトル『天の守護神』)は、世界のアルバムチャートで1位になる大ヒット。

当時私は、このアルバムを本当にすり減るほど聞いたものです。特にA面一番最後に収録されている『Incident at Neshabur(ネシャブールの出来事)』は、ロック、ラテン、ジャズが融合している不思議な曲で、凄く聞きました。
この頃からジャズに興味を持つようになったのかな、と思う今日この頃。

さて、Santanaは爽やかなトロピカルミュージックとはかなり趣が違います。この頃のSantanaはワルぷんぷんですから。
ここからが本題。この素地から、サルサを聴くようになった・・・、あれっ? 紙面が足りないようです。
次回はいよいよサルサです!