先日、常連のお客さまが、「ここはな、旨いんだよ。床がヌルヌルの店はなあ、旨い店の証なんだよ」と話しているのを、聞いてしまいました。
正直、ショックでした。
古くて小さな店ですが、床もこまめに清掃し、衛生には気をつけているつもりです。ヌルヌルなのは、ほんのわずかな期間だと思います。
しかし、私の店は、「ヌルヌルの店」として認識されておりました。
お客さまの言葉が頭から離れず、なんとも言えない気持ちです。
(50歳男性・自営業)
マセ : あはは。ありますねー。ごめんなさい、笑っちゃいけないんだけど面白いです。
ミタ : 「そうじゃないのに~」ですね。ちょっとした一部分を切り取られて、その人の中では、そのイメージで固まってしまっているという。
マセ : あるある。誤解は本当に困りますね。
ミタ : また、思い込みって、やっかいですもんね。
マセ : でも、ヌルヌルの店って、いっぱいあるよね。
ミタ : ありますね。中華料理屋さんは、けっこうな確率で。
マセ : ここはスケート場か、カーリング場か。もう、なんとかならないの、みたいな店とかね。
ミタ : 歩くより滑った方が早い感じの。
中華料理屋さんあるある
マセ : 僕の行きつけの中華料理屋でね。昔からある、古~い店。
ビールとおつまみセットで1000円、じゃあそれ、って頼んで。
テレビでサッカーの中継とかやってて、なんとなく見るわけです。
テーブルが、昔ながらの、ちっちゃめサイズでね。
イスも、ちっちゃい子どもが座るイスの大きい版、みたいなイスなの。
ミタ : それ、最近なかなか見ないですよね(笑)
マセ : そう。もう、「ザ・昭和」なの。きったないの。でも僕、意外に嫌いじゃなくて。そういう店。
一人で行く分には全然かまわない。
とりたてて旨いわけでもないし、すごく安いわけでもないし。どこまでも普通の中華屋さん。
で、トイレに行こうとしたら、トイレの床がすべるんだよね。ヌルヌルしてるの。
ミタ : ヌルヌルのトイレは嫌ですね。
マセ : で、雨の日がまた、困るんですよ。
ミタ : 水と油ですか。
マセ : そう。傘たたんで、「こんばんは~」って入ると、つるんつるんなの。
これはね、よろしくない。きわめて危険。
歩き方は、スキー場の状態ですね。雪国育ちじゃない人が、慣れない雪の上を、そろそろと。
という感じの店なんです、そこは。
ミタ : はい。この方は、ちゃんと清潔にされているそうです。
どうしてヌルヌルなんでしょう
マセ : 毎日磨かないとね、どんどん上から油が落ちてくるから、ヌルヌルしてきますよね。もしくは、油分がホールの方に飛ばないようにする、間仕切りを作るか。
ミタ : そもそも、どうしてヌルヌルになるのか、少し調べてみました。
厨房の油が飛ぶのもありますが、靴も一因のようです。店員さんが厨房から出てきて、料理を運ぶ。中を歩いた靴で、外も歩く。結果、油が広がってしまう、という。
マセ : それはあるでしょうね。てことは、調理場の油をしっかり落とす清掃をしないと解決しないですよね。
あとはまあ、砂をまく、とかね。実際、ヌルヌルを消す手法はあると思う。
ミタ : あの。ヌルヌルが問題じゃないんです。
いつもはヌルヌルじゃないんですよ。この常連さんが来る日が、たまたま、ヌルヌルなんです。
マセ : 常連さん、よく来るんですよね。じゃあ、やっぱり、いつもヌルヌルなんじゃない?
ミタ : ヌルヌルではないと思ってても、ヌルヌルだと。中華屋さんのご主人、申し訳ありません。
床と靴の予期せぬコラボレーション
マセ : 客層がサラリーマンか・・・。あ、これね、靴の底の問題もありますね。
サラリーマンの靴、いわゆる革靴の靴底は、何にもなくて、つるつるなんです。
いい靴ほど、ギザギザなんかないんだよね。
ミタ : 確かに、イタリア製の靴なんかは、つるつるですよね。裏側も革で。
マセ : そうそう。あのつるつるの靴を、ヌルヌルの店に履いてったら、そりゃ滑りますよ。
オフィス街で、お店やってるんですよね。そりゃそうなりますよ。
ミタ : ですから、ヌルヌルの店じゃないんですけど・・・。
サラリーマンの靴底の方に問題があったんですか。それは盲点でした。
マセ : 素晴らしい。
ミタ : 理由が判明しましたね。まさかこの企画で明快な答えが出るとは。
では、滑りにくい床材にするという方向ですか。人工芝とか。
マセ : 人工芝は、油と馴染んじゃうと思う。滑りにくそうな素材を探して、床に敷き詰める、というのが一つ。
だけど、それをやると、そこが菌の温床になりそうだから、どうするかはちょっと考えた方がいいですね。
結局、サラリーマン側がそういう靴を履いている可能性が高いから、滑りやすいんじゃないかな。もともと。
ミタ : それなら、お店側では、できる対策をしたら、それ以上は難しいかもしれないですね。サラリーマンさんに靴を替えろとも言えないですし。
マセ : ご主人、そういうことです。
余談ですが、靴底って・・・
マセ : 僕も昔はそういう革靴を履いていたけど、滑るのが嫌だから、この頃は、わざわざミスターミニットで、滑り止めを貼りつけてもらって。何千円もかけて、もったいないなと思いながらもね。今はそうしてる。
ミタ : あれって、取れちゃうことあるんですか。靴底、よく道に落ちてますよね。
マセ : あるある(笑)
ミタ : かかとだけなら分かりますけど、まるごと落ちてる時とか。その人、どうしてるんでしょう。
マセ : たぶん、そのまま歩いて帰ったんだろうね。
ミタ : 3センチくらいの厚底の時、ありますよ。
マセ : それね、たぶん酔っぱらってるんだと思う。
ミタ : あ、なるほど。なんで気づかないんだろうと思ってました。
マセ : 靴底は、持って帰りましょう。
【今回のあなたに贈る1曲】
『虹と雪のバラード』 トワ・エ・モワ (1971年)
すべるといえば、ウィンタースポーツ。
ということで、札幌オリンピックのテーマソングです。すみません。