社員はなぜ報・連・相をしてこないのか

企業活動において重要な要素に「報・連・相」があります。
言わずと知れた「報告」「連絡」「相談」です。

中小企業の社長さんから、「部下の報・連・相がない」という嘆きをしばしば耳にします。

大手の場合、新人の時から報・連・相を指導され、叩き込まれる。そして習慣化してしまう。
しかし、中小でこのような指導のある会社はめったにありません。

そもそも中小では新人を採用することが少ないため、どうしても中途採用者が多くなります。
彼らはやはり中小からの転職が多く、以前の職場でも報・連・相の指導は受けていません。

ですから、社内に報・連・相を根付かせるためには、日々しつこく指導するしかありません。

では、習慣化のために何をするか?

まず
①報・連・相に関するルールの明確化(いつ、誰が、何を、どのように)
②報・連・相の質の向上(起承転結、時系列化、事実を正確に伝えるなど)
がポイントです。

そして同時に・・・

中小企業でその会社の風土を決めるのは、良くも悪くも社長です。
ところが、社長がいちばん報・連・相をしていない!
社長がしないものを社員に強制しようとしても、それは無理というもの。

たとえば、社長が出張やセミナーに行ったとします。
商談がどのようになったのか、セミナーで聞いたポイントはどんなことで、わが社にどのように応用できるか、といったことを社員に報・連・相していますか?

「はい、私はしています」という社長はまれです。
仮に「している」と答える方でも、その報・連・相の質が低い。
「質が低い」とは、社員に伝わっていないということです。

報・連・相は、まず相手に伝わること。
そして、その内容から次をどのようにするかを判断することです。
極めて重要なことです。

実際、企業活動の現場で起きるトラブルの80%は、報・連・相不足が原因。
逆に、きちんと伝わっていれば防げることなのです。

まずは社長自身が社員に報・連・相をする。
そしてその質を高めることが重要です。

「してみせて、やって聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ」
(山本五十六)